TOPページ > 会社概要 > これまでの歩み > 創立60周年記念誌あとがき
弊社のこれまでの歩みについて、平成22年に発行した創立60周年記念誌の内容よりご紹介します。
あとがき
60周年にあたり記念誌発行を提案し、未熟を承知で責任者を引き受けたのには理由があります。
創業者達の歴史を次代に残すのは、今回が最後の機会だろう、そう思ったからです。
既に創業者は全員鬼籍に入っており、我々二代目も次世代へバトンを渡す時期にきてしまいました。
戦後、露天商から始まりエレクトロニクス黎明期を支えてきた初代から直接話を聞き、また働く後姿を見てきた我々が、この60年の歴史を書き残す事が出来る、いやその責任があると思い立ったのです。
資料集めは困難を極めましたが、幸いにして大勢の有志の方々のご協力を頂き刊行にこぎつけました。そのご好意ご支援に深く感謝する次第です。
今では数少ない、戦後の露天商経験者である中央無線電機株式会社の藤木会長から貴重なお話を伺う事ができました。
86歳にして今も矍鑠(かくしゃく)としておられ、60年前の話をつい数年前の出来事のように、活き活きと詳しくお話をして頂きました。
また小池様、八巻様、河合様にはお忙しい中にもかかわらず座談会にご参加頂き、秋葉原の将来像等重要なご提言を頂きました。
貴重な歴史資料の転載を快くお受け戴いた秋葉原電気街振興会様、東京ラジオデパート様、刊行にあたって昼夜を問わず編集作業にあたって頂いた青山ライフ出版の宮崎様、金野様、ご協力頂きました皆様にはあらためて深く感謝申し上げます。
NHKで放映されている司馬遼太郎原作「坂の上の雲」は、まだ少年の国であった明治という時代を駆け抜けた若者達の青春群像を描いています。
戦後の露天商から秋葉原高架下へ秋葉原電気街の基礎を築いていった創業者達も、同じように少年の時代であった戦後の秋葉原を懸命に駆け抜けていったのです。
すっかり変貌、変質しその生い立ちすら忘れかけている秋葉原の街に、小誌が若く元気であったその時代の息吹を少しでもお伝えでき、電気街再興への一助になれれば幸いです。
秋葉原ラジオストアー60周年記念誌 担当
知念 利秀